AI時代のアイデア創発に必要なもの

AIの進化により、アイデア創発のあり方が大きく変わろうとしています。膨大なデータを分析し、組み合わせ、新しい提案を生成するAI。しかし、それだけでは「価値あるアイデア」にはなりません。
では、人間はどこでその価値を決めているのでしょうか? 開発者との対話を通じて浮かび上がったのが、「創造的選択(Creative Curate)」という考え方です。
AI時代における人間の判断力の重要性と、「創造的選択」がなぜこれからの時代に不可欠なのかを探りました。

AIの得意な部分と、その限界

AIは、すでにある情報を組み合わせ、新しい形を生み出すことが得意です。例えば、画像生成AIが既存のアートスタイルを組み合わせて新しい作品を生み出したり、文章生成AIが過去の知識をもとに新しいストーリーを提案したりするのは、まさにその力の表れです。

しかし、それらが本当に「価値があるかどうか」を判断するのはAI自身ではありません。

アイデアプラントの代表であり、製品開発責任者の石井のFacebookでは、「全く新しいものを生み出し評価する能力は、現在のところ人間にのみ備わっている」という言葉が紹介されていました。これは、AIがアイデアを大量に生成できたとしても、その中から意味のあるものを選び出し、発展させるのは人間の役割であるという考えではないでしょうか。

創造的選択(Creative Curate)とは?

「創造的選択(Creative Curate)」とは、ただアイデアを出すだけでなく、「どれを選び、どのように磨き上げるか」を判断するプロセスを指します。

例えば、アイデア創発のワークショップでは、ブレインストーミングでたくさんのアイデアが出されます。しかし、そのままでは使えないものが多く、そこから「何を採用し、何を捨てるか」という選択が求められます。

AIがアイデアを生成することはできますが、その選択をするのはやはり人間です。石井との議論でも、「選択の力」が今後ますます重要になっていくだろう、という話になりました。

人間の判断力と市場ニーズ

創造的選択の重要性は、ビジネスの場面でも明らかです。

市場ニーズに合致しないアイデアは、どれほど革新的でも受け入れられません。AIはトレンド分析をすることはできますが、「このアイデアが本当に人々に刺さるか?」を見極めるのは、最終的には人間の感覚に委ねられます。

たとえば、成功する商品には「単なる新しさ」ではなく、「共感できるストーリー」があります。どのアイデアが人々の心を動かすのか、それを決めるのはAIではなく、私たちの選択の力だと感じます。

AI時代に求められる「選ぶ力」

AIの時代においても、「創造的選択(Creative Curate)」の力はますます重要になっていきます。アイデアを生み出すだけでなく、それをどう磨き、どのように価値を見出すか——その判断力が、これからのクリエイティブな活動の鍵となるでしょう。

これからの時代、私たちはAIと協力しながら、よりよい選択をしていく必要があります。そのために、私たち自身の「選ぶ力」を磨いていきたいものです。