ブレインストーミング(以下、ブレスト)は、チームの創造性を引き出すための手法として広く使われています。しかし、うまく機能しない場合、「課題の多いブレスト」になってしまうことも。よくある課題と改善策、さらに成功を後押しするツールをご紹介します。

課題の多いブレストの特徴と改善策

1.収束・発散のバランスが悪い

課題の状況:
「もっと意見を出してほしいのに、話が広がらない…」あるいは「たくさん出たけど、どうまとめればいいのかわからない」という場面に直面することがあります。収束と発散が無計画だと、時間ばかり消費して混乱することが多いです。

改善策:
ブレストの段階を明確に分け、「まず広げる」「次に整理する」というプロセスを意識します。進行役が「収束フェーズに移ります」と明言するだけでも、参加者の意識を切り替えやすくなります。

2.意見が出しにくい空気感

課題の状況:
「何を話せばいいのかわからない」「否定されるかもしれない」と感じることで、参加者が発言をためらってしまうことがあります。特に初めてブレストに参加する人や、上司がいる場では起こりがちです。

改善策:
最初にアイスブレイクを取り入れ、「どんなアイデアも歓迎される」という雰囲気を作ります。また、「このブレストでは批判はしない」というルールを明示することで、心理的な安心感を提供できます。

3.意見の偏りや否定的な態度

課題の状況:
一部の参加者だけが発言し、他の人が黙ってしまう。また、意見が出てもすぐに否定されたり、主導権を握る人の意向に議論が引っ張られてしまうこともあります。

改善策:
進行役が全員から順番に意見を出すよう促したり、ポストイットに意見を書いてから発表する方式を採用すると、均等に意見を引き出せます。また、否定を防ぐための「アイデア否定禁止ルール」を設け、肯定的な雰囲気を維持します。

4.時間管理の失敗

課題の状況:
「自己紹介が長引いてしまい、議論が始まる前に時間が足りなくなった」「収束の段階で議論が途切れてしまった」など、時間配分が適切でないと参加者の不満が残ります。

改善策:
進行役がタイムスケジュールを明確に設定し、それを場で共有することが重要です。たとえば「発散20分」「収束15分」といった時間配分をホワイトボードやスライドで見せると、全員が時間を意識できます。

5.ツールや環境の不適切な利用

課題の状況:
使い慣れていないツールや、適切でない形式(例えば、参加者が苦手とするデジタルツール)を使用することで、議論が停滞することがあります。また、場のレイアウトが非協力的で、コミュニケーションが難しくなる場合も。

改善策:
場に適したツールや環境を選びます。対面の場合は模造紙やポストイットを活用し、オンラインの場合は直感的に操作できるツール(MiroやZoomホワイトボードなど)を選択すると良いでしょう。また、机の配置や座り方を工夫して、全員が目線を合わせやすい場作りを心がけます。

6.参加者の熱意や集中力の欠如

課題の状況:
「ブレスト自体が形骸化しており、参加者が形式的に参加しているだけ」ということも。これでは、創造的な議論は期待できません。

改善策:
ブレストのテーマに関連する背景情報を共有し、参加者にとっての意味や重要性を明確にします。また、進行役が適宜「今の議論はとても面白いですね」など、ポジティブなフィードバックを行うことで、熱意を引き出す工夫も効果的です。

ブレストをサポートするおすすめツール

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研修や会議前に、アイデアをだしやすくするカードです。柔軟な発想を引き出す助けになります。
※CEMRAPSカードの特徴はリリースの文章を参照ください。

ASOPICA

ゲームを楽しみながら連想力を鍛える カード型トレーニングツールです。